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💬 2-1 生成AIに質問する

🎓 生成AI実践編へようこそ

このモジュールでは実際にLLMを試しながら、LLMの特性と使い方のコツを学びましょう。LLMの特性を理解することで、適切な情報を適切な業務に適用することができます。生成AIはいわば優秀な新卒社員と捉えるとイメージしやすいかもしれません。

  • あなたの会社の内部情報は知りません
  • あなたの業務の常識も知りません
  • あるのは高いスキルセットと解決力です
  • あなたの質問の質が高ければ高いほどアウトプットもよくなります

適切な形でコミュニケーションをとることで、新卒社員は成長し、力を最大限発揮してあなたの右腕になってくれます。


💡 効果的なプロンプトとは?

プロンプトとは、AIに対して指示を与えるための入力文や質問のことを指します。プロンプトの設計は、AIが生成する結果の質に大きく影響を与えるため、重要な要素となります。生成AIの回答に満足できない時は、質問の仕方や方法に工夫を心がけることが重要です。

まずは、生成AIに質問していきましょう。


🛠️ 生成AIに質問してみましょう

それでは、実際に生成AIに質問してみましょう。右下のチャットボットから試験的に質問をすることができますので試してみてください。

生成AIに何を質問したらいいのかわからない場合は、Google検索で調べ物をするように、まずキーワードを送信することから始めてみてください。

ChatGPT-4oで実演してみましょう。 例えば、「営業利益 計算式」とキーワードを打ち込んで送信します。

ChatGPT-4o 営業利益の計算式

(ユーザーの質問)
営業利益計算式
(AskDonaの回答)
営業利益を計算する際の一般的な式は以下の通りです:

営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費および一般管理費

ここでの各項目は以下のように説明されます:
- 売上高は、企業が商品やサービスを販売して得た総収入を指します。
- 売上原価は、商品やサービスを生産するために直接かかった費用です。
- 販売費および一般管理費は、営業活動を支えるための間接的な費用で、広告宣伝費、事務所維持費、人件費などを含みます。

この式を用いて計算することにより、企業の営業活動の実際の利益を把握することができます。

このように、生成AIでは自分が欲しい情報を自然な対話形式で得ることができます。一方、従来の情報収集の手段の1つであるGoogle検索では、検索結果に表示されているURLからページにアクセスをして自分で回答を探す必要があります。この点、生成AIはたくさんある情報の中から必要な情報を咀嚼して回答してくれるため、情報収集の用途によってはGoogle検索よりも便利なケースが多いでしょう。

ポイント 生成AIはニュース記事、ウェブページ、書籍、ウィキペディアなどの一般に公開されている情報を学習しています。モデルによっていつ時点の知識(カットオフデイト)を持っているか異なります。

生成AIの能力を発揮するには、きちんとこちらの背景や欲しい情報を明記することが重要です。キーワードだけだと文字通りの意味しか理解できず、短略的な回答になる可能性があります。

先ほどの質問にあった、「営業利益 計算式」の本当の目的は自分の事業の営業利益を知りたいというニーズの場合、その内容も含めて必要な情報を伝え聞く必要があります。

それでは、人に質問する時と同じように、具体的な質問文を送信してみましょう。

  • 例:「SaaSの単月の売上が1000万円で広告費用100万円の営業利益は何?

ChatGPT-4o 営業利益の計算式

(ユーザーの質問)
単月の売上1000万円で広告費用が100万円くらいなんだけど、あ、SaaSね、営業利益ってどれくらい?
(AskDonaの回答)
SaaSビジネスにおける単月の営業利益を求めるためには、売上高から売上原価と販売費及び一般管理費(この場合は主に広告費用)を差し引く必要があります。以下の数式で計算できます:

営業利益} = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費

与えられた情報では、売上高は1,000万円で、広告費用は100万円です。売上原価がわからないため、仮に売上原価が0であると仮定すると、計算は次のようになります:

営業利益} = 1,000 - 0 - 100 = 900万円

つまり、売上原価が0の場合、営業利益は900万円となります。ただし、正確な営業利益を求めるためには、売上原価を含めたすべての販売費及び一般管理費を考慮する必要があります。具体的な営業利益を算出するには、売上原価の詳細な情報が必要です。

生成AIは少し雑な質問の投げ方でも意図を汲んで回答を生成してくれます。繰り返しますが、明確に指示を伝えることさえできれば、正確な回答をしてくれます。

しかし、質問者の指示が不明確、前提知識のインプットが足りないと、満足できない回答となる場合もあります。質問者として大切なのは、自分の質問の仕方をかえることでより欲しかった情報が出るのではないかという期待を失わないことです。

もし回答が不十分だと感じたら、追加質問をしてさらに掘り下げてみましょう。

  • 例:「原価が50万円のときは?

ChatGPT-4o 営業利益の計算式

(ユーザーの質問)
原価はサーバー費用があったから50万円だった
(AskDonaの回答)
原価としてサーバー費用が50万円であることがわかりました。これを考慮して営業利益を再計算してみます。

営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費

ここで、
- 売上高は1,000万円、
- 売上原価は50万円(サーバー費用)、
- 広告費用(販売費及び一般管理費)は100万円です。

したがって、営業利益は

営業利益 = 1,000 - 50 - 100 = 850万円

となります。したがって、この SaaS ビジネスの単月の営業利益は850万円です。

追加質問を重ねることで生成AIもより賢くなり、結果的に自分が欲しい回答にすることができます。もちろん追加質問をしなくても、生成AIに適切な指示を最初から与えれば適切な回答を一発で出すこともできます。

生成AIに対する適切な質問の仕方にはいくつかパターンがありその手法を「プロンプトエンジニアリング」と呼んだりしています。

ポイント 生成AIにはメモリーといって記憶力があります。前の会話の流れを記憶しているため、主語や前提をスキップしても質問が前回の会話に続くものと理解します。もし、話題を変えたい場合は新しい会話をスタートさせましょう。