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🔐 1-5 生成AIの情報取り扱い

🚀 生成AIの情報取り扱いの変化

1-4では生成AIを利用する上での注意点、リスク管理、倫理的な配慮などについて説明しました。ここでは、2022年のChatGPT登場当初と現在における情報取り扱いの変化、そして知っておくべき点を解説します。


🔍 ハルシネーション(幻覚)への対応

生成AIは、その特性上「ハルシネーション(幻覚)」を起こす可能性があるという点を、常に意識しておく必要があります。生成AIの仕組みを考えると、ハルシネーションが完全にゼロになることは難しいでしょう。なぜなら、生成AIは膨大なデータから学習したパターンに基づいて、確率的に最も「それらしい」回答を生成しているからです。

しかし、OpenAI社が最初にローンチしたモデルに比べて、現在のモデルではハルシネーションは低減してきています。また、ハルシネーションの可能性がある場合に、AI自身がそれを示唆するような調整も進んでいます。

それでも、生成AIを使う私たちにとって、ハルシネーションのリスクは常に存在します。生成AIのアウトプットを鵜呑みにせず、ファクトチェック(事実確認)を徹底し、リスクを理解した上で活用することが重要です。これは、生成AIが存在する限り、私たちが常に意識し続けなければならない点です。

⚠️ 注意: 利用者として、常にハルシネーションのリスクを意識し、ファクトチェックを徹底する必要があります。

生成AIとの付き合い方


🔐 会話履歴とデータの取り扱い

生成AIを使う上で、多くの方が懸念されるのが「入力した情報がAIの学習に使われ、情報漏洩してしまうのではないか」という点です。特に、社内情報や顧客情報など、機密性の高い情報を扱う際には、データの取り扱いについて慎重になる必要があります。

そこで、OpenAIやGeminiなど、生成AIサービスを提供する各プロバイダーのデータポリシーを理解することが重要になります。

🔒 生成AI利用時のデータ取り扱いについて

生成AIの利用において、多くの方が気にされる点は、**「入力した情報がAIの学習に使われ、情報漏洩が発生するのではないか?」**という懸念です。特に、社内情報や顧客情報といった機密性の高いデータに関しては、各プロバイダーのデータポリシーを理解し、慎重に扱うことが重要です。


各プロバイダーのデータポリシーを理解する

OpenAIやGeminiなど、生成AIサービスを提供するプロバイダーには、それぞれ異なるデータポリシーが存在します。ChatGPTには、以下のようにプランに応じてデータの取り扱いが異なる設定があります。

ChatGPTプラン別のデータポリシー

  • 個人向けプラン

    • デフォルトで、会話履歴がAIの学習に利用されます(設定で無効化可能。ただし、履歴の閲覧ができなくなります)。
    • アップロードされたファイルは、一時的に処理され、通常30日以内に削除されます。
  • 法人向けプラン (ChatGPT Teams, ChatGPT Enterprise)

    • 会話履歴やファイルは、AIの学習には一切利用されません。OpenAI社では、不正使用検知のため最大30日間データを保持しますが、「zero data retention (ZDR)」設定でログの残らない環境も選択できます。

API利用時のデータポリシー

API利用時には、プロバイダーごとに異なるポリシーがありますが、「API利用では学習にデータが使われない」ことが一般的です。たとえば、AskDonaで採用しているすべてのLLMは、API利用時には学習に使われないポリシーが適用されています。利用前に確認することで、安心して生成AIを活用できます。

プロバイダーデータポリシーのリンク
ChatGPTChatGPT Policy
ClaudeClaude Policy
GeminiGemini Policy

生成AIを安心して活用するためにも、各プロバイダーのデータポリシーを理解し、自社の利用状況に応じた対策を講じましょう。


備考

🧩 APIとは?

APIとは、外部のアプリケーションやサービスがChatGPT等の機能を利用するためのインターフェース(窓口)です。たとえば、あるアプリがChatGPTのAPIを利用することで、そのアプリ内でChatGPTの会話機能が使用可能になります。

AskDonaもOpenAI社等のAPIを利用してサービスを提供しているため、AskDona経由で質問した内容や回答はLLMの学習には使われません。APIの仕組みを活用することで、安全でカスタマイズされた生成AIサービスを企業が利用できるのです。


🔒 個人情報入力に関する注意点

生成AIプロバイダーは、たとえ一時的なものであっても、ユーザーが入力したデータを保持する可能性があります。つまり、生成AIプロバイダー内部の人が個人情報などを閲覧できる可能性があるため、個人情報や機密情報の入力は避けることが推奨されています。

🚨 重要: 万が一の事態を避けるため、個人情報や機密情報の取り扱いには十分注意が必要です。

🌟 生成AIを使いこなすための第一歩

ここまでで、生成AIの基本的な仕組みや特性、注意点、そしてデータの取り扱いについて理解できました。生成AIはハルシネーションを起こす可能性があるにも関わらず、なぜこれほど注目されているのでしょうか?それは、生成AIが私たちの業務を劇的に加速させ、かつ、多くのタスクで高い精度を実現してくれるからです。生成AIは私たちに「時間」と「質」の両方を提供してくれる、便利なツールです。

いよいよ、次の章からは実践編です。

生成AIは、使えば使うほどその可能性に驚く一方、期待値が高すぎて限界を感じることもあるでしょう。実際に使ってみることで、生成AIの得意・不得意を肌で感じ、どうすれば自分の仕事に活かせるのかを具体的に理解していくことが重要です。

次の章では、生成AIに質問する方法、効果的なプロンプト作成のコツ、そして様々な活用事例を紹介します。生成AIを使いこなし、あなたのビジネスを加速させる第一歩を踏み出しましょう。

生成AIを使いこなすまでのステップ